2018.08.13
私にとっての本を作るという営み
物語がそのまま形になったような本を作ること。
形態やジャンルにとらわれるのではなく、内容にどこまで本が寄り添えるかを考え、
絵本やアートブック、句集の特装本や1点物の箱などを、手と少しの機械と道具で制作してきました。
そんなある日、「紙に物語が宿ると本になる」という言葉が不意に頭の中に浮かんできました。
自身の作品を振り返ってみると、そのいずれもが、
いかにして「触れることのできない物語」を「質感そのものである紙」に宿らせるかの挑戦であったようです。
そうして生まれた本は、時として一般的な本の形とは異なることもありましたが、
その道にこそ、まだ誰も知らない、見たことのない本の可能性があると今は信じています。